2.自分なりの人生の基準を作ろう

　私たちは、幼い頃から物事の善し悪しに関係なく見聞きしたことを、自分だけの考え方の基準として作り上げてきました。その中から、間違っていた自分だけの考え方の基準を見つけ出すには、人生を振り返りもう一度深く考え直してみることです。

 良識な知識を集め、自分の過去と照らし合わせながら、私たちにとっての正しい考え方の基準を作り上げていきましょう。それだけでも、今まで以上に楽しく人生を過ごすことができるのです。

　今までの人生を今以上に楽しく生きるには、幸せや夢を目指す前に大事なことがあると思えるようになりました。それは日常的に、今まで以上に気持ちを楽にすることが最優先だと言うことです。幸せや夢を叶えれば、楽しい人生になると普通はそのように考えますが、人間関係の問題などで日常的に思い悩んだり苦しんだりしていることがあれば、決して楽しい人生とは言えません。

 まずは日常的に、不快な気持ちになる問題などから解決していきましょう。そのことが結果的に、ポジティブな考え方に自然とかわっていくのです。

　例えば、夢を叶えるには仕事をしながら取り組む必要があります。それは夢を目指すには、空いた時間で行う必要があるからです。しかし会社での人間関係の問題で苦しい思いをしていたり、仕事のことで思い悩んでいるようでは、夢を目指すために必要な心の余裕も持てないでしょう。

 そのような状況でも無理矢理に夢を目指すことはできますが、もしかしたら中途半端な状態になり、生活するのに欠かせない仕事に悪影響を及ぼすかもしれません。そのような状況になれば本末転倒です。無理に夢を目指すことで、今まで以上に精神的に辛い思いをして、結局は、「自分の人生は所詮こんなものだ」と、今まで以上に自分自身に対して否定的な見解を持つようになるかもしれません。

　絶対に叶えたい夢があるのであれば、先に会社での人間関係の問題や仕事に対して苦しんだり思い悩むことなど、そして、あなたに対しての上司の態度がキツイと思うのであれば、自分の態度を変えて相手の態度を変えるなど、人生に必要な知識を身につける必要があります。理不尽なことを言われて怒りの感情に向かうのであれば、怒りの感情について深く知る必要があります。

 人間として怒りの感情になるのは当たり前のことだと「間違えた考え方」から抜け出して、心にも大きなダメージを与える怒りの感情に向かわないようにする必要があります。

　夢を叶えるには、仕事の影響で思い悩んでいることなどを減らす必要があります。長年会社で働いてきて、マンネリ化した考え方になっているのであれば、それに気づき再度「仕事を熱心にやる」意味を考え直す必要があります。「仕事を熱心にやる」ことを夢を叶えるための予行練習だと考えてみることもできます。

 人生は生きていると数多くの試練に出会います。しかし、試練に出会ったときの考え方や対応の仕方は人それぞれです。私たちは、苦しむ人生も苦しまない人生も、どちらでも選ぶことができます。これからも起こり続ける試練に対して、事前に試練に対する自分なりの考え方を決めておくだけで、ポジティブに対応することができます。

 あらゆる場面で、自分なりの「人生の考え方の基準」を作っておけば良いのです。あなただけの考え方の基準は、あなたが自分で作り上げるしかありません。そのためには本書を参考にしながら、自分の人生を振り返りながら考えていく作業が必要になります。